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サンクト、米企業との連携でタングステン再資源化を強化
2025-03-21

株式会社サンクト(本社:東京都江東区)は、米国企業との連携を通じてタングステンの再資源化事業を強化します。超硬工具などの製造工程で発生するタングステンスラッジ(研削加工時に生じる微細な金属粉末)を高効率で回収し、再資源化することで、国内の資源循環に貢献する狙いです。
従来、超硬工具の加工時にはクーラント液(加工液)を循環使用しながら簡易的に濾過処理していましたが、粒径が小さいタングステンスラッジは簡易濾過では十分に回収できず、機械設備への付着や砥石・クーラント液の寿命低下といった課題がありました。また、スラッジに含まれるシリコン成分がリサイクルを困難にし、多くの場合産業廃棄物として処理されていました。
今回の連携では、米企業が持つ特殊な精密濾過技術を活用することで、シリコンを含まない高品質なスラッジ回収が可能となります。この技術は特殊形状の不織布フィルターなどを用いており、加工液中のスラッジを効率よく捕集します。これによりクーラント液や砥石の寿命延長、機械洗浄作業の軽減など、生産性向上にも寄与します。
回収されたスラッジはサンクトが静岡県内のグループ工場で年間2,400トン規模で処理・再資源化を行います。焙焼濃縮した中間原料や酸化物・炭化物など、ユーザーが希望する形態で返却するほか、買い取りにも対応します。また、このプロセスはタングステン系超硬工具だけでなく、高速度鋼(ハイス)など他分野への応用も可能です。
サンクトは今回の米企業との連携強化を通じて、高品質なタングステン再資源化プロセスを確立し、日本国内における資源循環型社会の実現に貢献していきます。